乙倉ちゃんはね…
プロデューサーさんがプレゼント用意してくれてる事を知ってるんだけど、自分から「今日誕生日なんです」って言うのはちょっと恥ずかしいから、いつ「おめでとう」って言ってくれるのか、もじもじと待ってるんだ…
その姿がかわいいからもう少し眺めてるんだ…
なんか筆がノッてしまったので怪文書がついてます。
そわそわと…落ち着きがない様子で乙倉ちゃんが室内を行ったり来たりしている。
今日は彼女の誕生日だ。
恐らく学校では友人達にお祝いされ、事務所に来てからも他のアイドル達からおめでとうを言われ、家に帰ればケーキとご馳走が待っている事だろう。
かくいう俺も簡単な物ではあるがプレゼントを用意している………しているのだが、いまだ渡せないでいる。
別に仕事が忙しくて渡すタイミングが無いとかそういう事ではない。
むしろ今はちょうど暇な時であり、タイミングと言えば正にベストだと言えよう。
では何故渡せずにいるのか?
今の彼女の姿が非常にかわいいからだ。
これだけだとちょっと意味わかんないと思うので順を追って説明しよう。
たぶん彼女は俺がプレゼントを用意してるであろう事を把握している。
先週、欲しい物が何か聞いているのだから当然と言えば当然だろう。特にサプライズと言った物をするつもりもなかったので普通に聞いた。
そして今、彼女はそれを渡されるであろう事を期待している。
だがしかし、自分から「私今日誕生日なんです!」なんて言い出すのは気恥ずかしいのだろう。
だからこそ、俺から「誕生日おめでとう」の言葉と共にプレゼントを渡されるのを待っている…というわけだ。
問題はここからである。待つ事を選択した彼女だが、どうやらじっとしていられなかったようだ。
もう10分ほどになるだろうか?そわそわ、もじもじとこちらの様子をチラチラ伺いながらその辺をうろうろし続けている。
その姿があまりにもかわいすぎた。10分もの間プレゼントを渡しそびれてしまう程度にはかわいかった。
しかしながら、いつまでもこうしているわけにはいかない。時間は有限である。いい加減にしないと本当にプレゼントを渡しそびれてしまう。それだけは避けねばなるまい。
意を決してプレゼントを入れてる鞄の中に手を入れた。
…………………。
こちらがアクションを起こした事によって彼女の表情がパッと嬉しそうに変わり、慌てたように元に戻ったのに気づいてしまった…。
あと5分…あと5分だけ彼女を眺めたらコレを渡そう。
そう心に決めて、取り出したプレゼントを膝の上に置いたのであった………。
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